春に
2008年4月10日うらみつらみを並べながら桜の季節を待つ。冬のままでは寒すぎる。そろいもそろって楽しみやがって。いつまで俺はへらへらしてりゃあいいんだよ。ああ、どうにもならないことが多すぎる。まあいいんですけどね。全然よくない。「どうしたい」、あるいは、「こうしたい」の欠乏如何。
27歳のあの人をどうにかこうにか手に入れたい。いくつも上だとは思えないほど可愛らしい顔立ち。セミロングの栗色の髪がサラサラしていて、背丈そこそこの貧乳。僕のバカ話に、笑ってあいづちをうってくれる優しさ。愛想笑いで何が悪いのか。ヤリマンとやって、何が悪い。君の求める理想の女性なんてものは、君が求めていたいだけであって、ぬるま湯、オナニーの肴、それ以上のものではありえない。意識改革が早急に必要。脱オタクファッションガイドとNHKへようこそをレジへ持っていき、領収書を求めているようでは、一生○○○たんをひっぱることになる。
今日僕は休みだったから、電話をした。
「あの、お疲れ様です。今は暇ですか?」
「今日授業なかったっけ?」
「休講だったと思いますよ」
「えー! 電話してくれなかったら気付きませんでした」
「ちょっと待ってください。確認してみます」
確認の電話。やはり休講。
「休講でした。いまどちらですか?」
「まだ職場だから品川なんです。今日は何を?」
「あの、お食事でもと思いまして」
「それはお茶っていうんだよ」
「じゃあお茶しましょう」
「お茶」をするなんて言ったのは初めてだ。
正直なところ、「お食事」をするなんて言ったのも、初めてだった。
「いいですよ。どこにします?」
「どこでもいけますよ」
「じゃあ私今品川の職場にいるんで、池袋か新宿とか?」
「新宿にしましょう」
途中、電車の中で中学校時代の友人を見た。就職活動をしているのか、初々しいスーツ姿だった。初めてのお茶をしようとしている僕へ、粋な計らいだ。一気に世界の見方が変わった。昨日までビールを飲んで寝ているだけだった僕が、地面を抜け出るセミのように輝かしい世界へ飛び立った。
新宿で煙草を吸いながら待つ。わめきちらすホームレスを優しく見守る。
まるで慈悲深き仏。焦らない、焦らない。一休ばりのとんち。
みいいるうううなああああ
見られていることに腹を立てるようでは、まだまだ社会に未練があるということか。あるのなら、その生活を抜け出そうとしてみてはどうか。本屋で自己啓発本でも立ち読みしてやがれ。なんで私が東大に? 知るかよ。誰もお前に興味なんかねーんだよ。広告になってる暇があったら埋もれないように努力してろ。何をすればいいかって? 俺にもわかんねーよ。わかってたらもっと、ああ、もっと、これ以上僕を泣かせないでください。
「ごめんなさい。今日4年生は、あったみたいです」
「そうですか。残念ですね」
「ごめんなさい。これから一緒に帰りますか?」
「いや、はい、あの、用事が」
「ごめんなさいね」
「また機会があったら、お茶してください」
「はいはい」
ガチャン。ツーツーツー。
身体は一週間ともたないが、抜け殻なら、あるいは。
27歳のあの人をどうにかこうにか手に入れたい。いくつも上だとは思えないほど可愛らしい顔立ち。セミロングの栗色の髪がサラサラしていて、背丈そこそこの貧乳。僕のバカ話に、笑ってあいづちをうってくれる優しさ。愛想笑いで何が悪いのか。ヤリマンとやって、何が悪い。君の求める理想の女性なんてものは、君が求めていたいだけであって、ぬるま湯、オナニーの肴、それ以上のものではありえない。意識改革が早急に必要。脱オタクファッションガイドとNHKへようこそをレジへ持っていき、領収書を求めているようでは、一生○○○たんをひっぱることになる。
今日僕は休みだったから、電話をした。
「あの、お疲れ様です。今は暇ですか?」
「今日授業なかったっけ?」
「休講だったと思いますよ」
「えー! 電話してくれなかったら気付きませんでした」
「ちょっと待ってください。確認してみます」
確認の電話。やはり休講。
「休講でした。いまどちらですか?」
「まだ職場だから品川なんです。今日は何を?」
「あの、お食事でもと思いまして」
「それはお茶っていうんだよ」
「じゃあお茶しましょう」
「お茶」をするなんて言ったのは初めてだ。
正直なところ、「お食事」をするなんて言ったのも、初めてだった。
「いいですよ。どこにします?」
「どこでもいけますよ」
「じゃあ私今品川の職場にいるんで、池袋か新宿とか?」
「新宿にしましょう」
途中、電車の中で中学校時代の友人を見た。就職活動をしているのか、初々しいスーツ姿だった。初めてのお茶をしようとしている僕へ、粋な計らいだ。一気に世界の見方が変わった。昨日までビールを飲んで寝ているだけだった僕が、地面を抜け出るセミのように輝かしい世界へ飛び立った。
新宿で煙草を吸いながら待つ。わめきちらすホームレスを優しく見守る。
まるで慈悲深き仏。焦らない、焦らない。一休ばりのとんち。
みいいるうううなああああ
見られていることに腹を立てるようでは、まだまだ社会に未練があるということか。あるのなら、その生活を抜け出そうとしてみてはどうか。本屋で自己啓発本でも立ち読みしてやがれ。なんで私が東大に? 知るかよ。誰もお前に興味なんかねーんだよ。広告になってる暇があったら埋もれないように努力してろ。何をすればいいかって? 俺にもわかんねーよ。わかってたらもっと、ああ、もっと、これ以上僕を泣かせないでください。
「ごめんなさい。今日4年生は、あったみたいです」
「そうですか。残念ですね」
「ごめんなさい。これから一緒に帰りますか?」
「いや、はい、あの、用事が」
「ごめんなさいね」
「また機会があったら、お茶してください」
「はいはい」
ガチャン。ツーツーツー。
身体は一週間ともたないが、抜け殻なら、あるいは。
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